デリダほか2008『言葉を撮る』青土社
の映像部分からも伺うことができるが、彼がきってきたカードはこれだけではないし、上掲書近くに上梓された『パピエ・マシン』にても、あれかこれかとカードをきっているではないか。
こういうところは、
かつてテル・ケルに属していたデリダのもう一つの貌といえないだろうか。
テル・ケルが意識したであろうウリポ工房のイタロ・カルヴィーノやジョルジュ・ペレック、特定のグル―プに属していたかは知らないが、ミシェル・ビュトールもテキストを編むために、あらゆるカードを切るよう模索した。別にレイモン・クノーだけが『文体練習』したわけではないのだ。(poliにとって『文体練習』というと、エコの方なのだが)そういう空気に接したデリダの一面は、、みなみなさまは案外意識は向かないようで。。。
一応ああいうタイトルであるし、
全編にわたって郵便〜, 誤配〜, とまあ譫ごとのように唱えて苦しソ〜なわけだが、結局、『有限責任会社abc』の絵解きに移って、ようやく終局ギリギリに論旨が救済され閉じる。本書はそもそもそんな構造をしたテキストである。