"博物館外の思考"と、「建築」外の思考

 血のめぐりの悪いpoliは、前著をご恵投いただいた時点では、反博物館、博物館外部システムという語句に目を白黒するばかりであったが、反博物館は、反機能主義の相貌をなしたそれであり、その対象のひとつとして、藤山一雄の発想を挙げているということだった。
 藤山一雄とともに、poliは何とはなしに、現在の東京たてもの館の前身を興した今和次郎をよく想起してきた。黒石いずみによって「建築」外の思考と評された今と、いわば"博物館外の思考"たる藤山。今の記述が本書にもある。接点は戦後になってからなのだそうだ。もっとも、今自身のあの多様な発想の多出にしても、戦後になってからという観があるが。