実は、ここ数年、

 新刊書にしても、フリードマンが息を吹き返している本人がお隠れになってまもないからこの表現はなんかこう生々しいね
 吉野俊彦というのは、水木楊『エコノミスト三国志』(1999 文春文庫)で下村治の好敵手として比定された著名な大蔵官僚で、永井荷風の研究者でもある多才な人。
 三土修平は、経済学における数式操作法と抽象理論の両方を概説できる経済理論のオールラウンダー。そのバランス感覚は、これで体感できる。但し。
これに至っては、タイトルは、統計学の方法しか伝わらないのに、中は、その場を借りた岡村孝子賛歌を呈している、それこそいささかドン引きなしろもの。でもちゃんと概説は成立している生粋の奇書、である。で、本書は、そういった色は影を潜め、純然とツールを説明している。但し例示がしっかり経済学上の議論に沿っている。