犬塚康博2007「宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の「標本」考 」『愛知文教大学比較文化研究』第8号

 犬塚氏は、「標本」を比定することを通して、以下、3つの社会に区分する。(poliには、ここでブルデューの主著『ディスタンクシオン』の階層モデルを想起した。たとえば、これのpp.66-67の図参照)
 仮にA〜Cの記号をふってみると、
A …  善  =  「標本」 = “父”による学校への寄贈 = 「公的な性格を帯びた」もの
B … “悪” = ¬「標本」 = 大学士          = 「ぼくらとちがったやつ」「ぼくらとちがわないやつ」
C … “悪” = ¬「標本」 = 鳥捕り          = 商品                       
この3つを、A と (B, C)とに対置する。一番右端の要素を注視してみると、何らかの重み付けが介在しているように思う。