2006-08-12から1日間の記事一覧

後藤総一郎『常民の思想』風媒社

敗戦を挟んで大衆論を論じてきた戦後民主主義の代表的論客、丸山真男の次世代として橋川文三が現れた。彼がとある一学生に大衆論への傾斜するにあたって奨めた研究対象は、柳田國男であった。その学生こそ、本書の著者後藤総一郎である。 後藤は、柳田國男の…

パオロ・ヴィルノ2004.1『マルチチュードの文法』月曜社

以文社の若き好敵手、月曜社が放ったこの書の上梓は、的確極まりないものだったように思う。厨先生は、ネグリ+ハート『帝国』に対して近経への沈潜が足りないという指摘を行っていた。が、本書に対してその指摘はない。「労働する」ことについて論じるにあ…

過日、アガンペンをなぜホッブスまで遡って語らないのか、という疑問を記した。 そういう疑問はここに源泉があったことが分かり、独り「あいたたた」。これを読んだ記憶が片隅に残っていたに違いない。う〜む。