永井均2012『ウィトゲンシュタインの誤診 -『青色本』を掘り崩す』ナカニシヤ出版

 あの太田光を塗炭の苦痛に叩きこんだであろう(しかも不可抗力に)に、そのうえで労をねぎらう弁を打つ、あの柔和な顔した悪魔、永井均先生の近著。過日に触れた黒崎宏の素読のそれとはやはり違うアプローチを取っている。いや、本人としてはその種のモノに収めたかったらしいが、書いているうちにあらぬ方向へ出てしまった、らしい。山口隆かよっ!!!