秋吉良人2007『サド 切断と衝突の哲学』白水社

 ホッブス以降、フランス革命前後にルソーだのロックだの社会契約の見解が多出する中で出来した異形フランケンシュタイン【弟】とか、ゴーレムとかこそ、このマルキ・ド・サドである。革命へと至る自と他が犇めき合うクソ煮込みがクタクタクタクタ、、、と沸騰し、その只中にて他者に"働きかけて"享受する自らの行動則に正当化を重ねるサド。その弁明の中で、自然を同一化してみたり、突き放してみたりとんでもねぇ両天秤である。こんなブレッブレなサドが、正にこの時代の潮を体現する存在といえまいか。twitterでも触れたヴォルテールが創造したカンディードでは、対抗するにも心許ない。イランお世話か