2016-05-05から1日間の記事一覧

"博物館外の思考"と、「建築」外の思考

血のめぐりの悪いpoliは、前著をご恵投いただいた時点では、反博物館、博物館外部システムという語句に目を白黒するばかりであったが、反博物館は、反機能主義の相貌をなしたそれであり、その対象のひとつとして、藤山一雄の発想を挙げているということだっ…

そして一貫。

藤山にとって満州国国立博物館構想と実践は、この課題の一環であり、終戦にてこれが潰えたら潰えたで、戦後引き上げた後、郷里の養鶏農業協同組合の理事長となり、栽培=炭水化物から家畜生育=蛋白源への転換による当時日本の食生活の拡充に再び挑み、晩年…

思考はもっと深層に

赤松を通して傍示された権力ゲームと、これを回避するかのように顕示する藤山の方途。そもそも、社会政策学会が一旦の休眠をする直前の、東京帝国大学法科の経済学部を卒業した藤山一雄。彼の当初の課題は、当時日本の食生活の拡充であった。それは在学中、…

盤外に出る藤山一雄。

一方、「争いごとが嫌い」(星野直樹の述懐による)な藤山一雄は、自身の博物館プランをこれを取り巻く環境ごと具体的なイメージに彫琢してプレゼンする。世界観を開陳して誘おうという、権力ゲーム=駆け引きをいみじくも排し得た態度。イメージ指向なので…

赤松啓介のいう"したたかな証言者"―。

『非常民の性民俗』など、主要著作にあっても度々触れてきた事柄。 聴取者を騙くらかした、にしても、聴取者がこれをデフォルメして騙くらかされた可笑しさを一般化して伝えようとして残しえた、とすれば、それは証言者と聴取者=したたかなプレイヤーたちの…

犬塚康博2016『藤山一雄の博物館芸術』共同文化社

前著に引き続きご恵投いただきまして、ありがとうございます。