高橋敏夫1994『嫌悪のレッスン』三一書房

 名前よりも、この本のタイトルの方が印象に残っている。嫌悪をキーに戦後の思想空間とモダン〜ポストモダンへの推移を語る総論たる1章と、1章への収斂へと至る各説がこれ以降の章立てに続く構成。
 終戦直後の一応総懺悔というワードで語られてきた状況を敵対的否定から競合的否定の推移、とし、その後の自己批判というスローガンが高揚した季節を自己否定あるいは自己嫌悪とみる。poliは、1994年当時、これを手にしながら中断していたようだ。