Borch, Christian2011"Niklas Luhmann" Routledge

 目下、登攀中。。。
 前二者は、敬遠してきた田邊元の著作。青山光二『われらが風狂の師』(1987 新潮文庫)これの「梅原末治論」の田邊評から、悪玉と決めつけていたからである。んな、偏見があるか!!。西田哲学に遭遇する前から、科学哲学の嚆矢となる思索を続けてきた人物と最近知り興味を持った。
 後二者は、ルーマン付近でも、あのキンダンの、いわくつきの、ケツネ憑きのこらこら指し示の算法に触れているそれ。『社会の経済』は、註を撫でるだけでも面白い事実が見えてくる。しばしばこのにっきでも挙げるデュピュイの研究が引かれているし、ハーシュマン、ヤーノシュ・コルナイまで登場する。喧嘩友だちのハーバーマスを引くことも、もちろんルーマンは忘れない。
 この『社会の』シリーズは、"観察"という語句が多用される彼の諸研究で、ここ最近になって立て続けに訳出が日の目を見ている状況で、いっとき魔女裁判のような旋風が吹き荒れたスペンサーブラウン問題は、ここでようやく吟味の場が整い始めたのではないか。(って遅いか、、、)