赤松啓介のいう"したたかな証言者"―。

『非常民の性民俗』など、主要著作にあっても度々触れてきた事柄。

 聴取者を騙くらかした、にしても、聴取者がこれをデフォルメして騙くらかされた可笑しさを一般化して伝えようとして残しえた、とすれば、それは証言者と聴取者=したたかなプレイヤーたちの権力ゲームが展開するという別種の構図が浮かび上がる。

カタる主導権を巡る争奪戦である。