博物館・遺跡。むつかしい。もどかしい

 ただ、読み進めるpoliには、もどかしさがジワジワとくる。そしてあとがきでもう一度『銀河鉄道の夜』のくだりが触れられたとき。これなのかと思った。博物館も、その収蔵されているものも、その存在意義や所有が別所に措かれた上で論じられているからだ、と。


だれが所有し、だれが求めているのか。
 これがない。そして意味を求める欲望から巧みに身をかわすテキストを世に残した宮沢賢治の最たるこの代表作からの思索には、このフワッとしたものが横溢しているのだ。もっとも、主体ばかりを渇望するpoliは、ややヤマイダレなのやもしれず。。。