犬塚康博2015『反博物館論序説』共同文化社 

 fischeさんより。ご恵投いただきありがとうございました。



 著者は、冒頭で従来の博物館論の視点を整理しつつ、こう評しているところがある。


(引用者註。とある著述が、)博物館を巡る諸関係を「官/民」に固定化しておこなわれていた。民に官は内在し、官に民が内在するという、両者の対他的かつ反照的な関係把握は放棄され、頽落した固定的関係においてのみ語られた。
本書 pp.16 ll.12-14

「民」に論旨を導くためには、関係が固定化されていなければならなかったのだろう。
本書 pp.16 ll.14-15

依然として、博物館史研究それ自体から、「博物館とは何か」が抽象されることはない。
本書 pp.16 ll.17-18