ちなみに

 カントが『純粋理性批判』に『プロレゴメナ』を添えたように、本書はあのトンデモナくも浩瀚おなじみ凶器本自著『救済の星』に添えられたものである。この『救済の星』を先達としたベンヤミンのあの閃光弾たちもまた、周囲が持て余し放逐した『ドイツ悲劇の根源』というデカブツに添え続けたこの種のあらゆる彩りの華、なのかもしれない。